香典返しにカタログギフトを贈るメリット
葬儀を行った際にいただいたお香典のお返しとしてカタログギフトを選ぶ人が増えているようですが、品物ではないというところに違和感を覚える人も中にはいるようです。
しかし、相手のことを考えて品物を選ぶという点で、このギフトの形は決して良くない形だということにはなりません。
カタログから好みの品物を選ぶという楽しみも一緒に贈ると考えれば、この形が相手のことを考えていない形だということにはならないからです。
そういった観点からも、このギフトを選択肢のひとつとして意識するということは今の世の中では必要なことなのかもしれません。
お香典のお返しとして選ぶ楽しみを贈る
香典返しだけではなく、どんなお返しにも選ばれることが多いカタログギフトとは、カタログから好きな品物を選んでお申し込み、それをお返しとして受け取るという形になっています。
香典返しの場合であれば、葬儀を執り行った葬祭業者に依頼することもできます。
葬儀を行う際には、葬儀後のお返しや喪中はがきなどの注文にも葬祭業者は対応してくれます。
ですから、そのときに一緒に依頼しておくと後の心配をする必要はなくなります。
また、最近はカタログギフトの専門店もたくさんあるので、それらのお店をあらかじめ見ておくことも必要かもしれません。
それらの多くはサイトの運営もしているので、申し込みはサイトからすることもできますし、サイト内で品物の内容を確認することもできるでしょう。
とにかく選択肢は非常に豊富にあるので、予算などのそれぞれの事情を考慮して選ぶことは可能です。
しかし、葬儀はある程度はわかっていることだとしても、突然訪れる非日常の出来事になります。
悲しみの中でお返しを考えることはとても負担なことになるので、時間に余裕があればの話ですが、カタログの内容の把握はあらかじめしておくことが望まれます。
贈り物は相手のことを考えて贈るのが普通ですが、このお返しは品物を贈る側で選ぶことはしません。
ですが、選ぶ楽しみを贈ると考えれば立派な贈り物でありお返しとなることは間違いないでしょう。
たくさんの物にあふれている現在の世の中で、何かの品物をもらってもそれが必要でないということはよくあることです。
それがいくら相手のことを考えて、相手が喜ぶと確信して贈ったものであってもです。
なので、好きなものが選べるということは、好きなものをいただけるということなので、そこに喜びがないはずはありません。
また、何にしようかと考えるのも楽しみのうちなので、そういった意味でもカタログギフトは贈る相手にとって迷惑なものではないということは確かなことだと言えるでしょう。
贈る側にも受け取る側にも良いと言われている
香典返しは四十九日が済んだ頃に贈るのが良いとされているので、それまでには準備する必要がありますが、品物を選ぶ必要がないカタログギフトであれば、品物や金額などによって異なるコースを選ぶことだけで済みます。
そのため品物を考えるよりもずっと気が楽だと言うことができるようです。
ギフトの内容は様々で、昔から定番となっているタオルや寝具類、乾物などの食品から、地方の特産品やグルメなども最近は人気だそうです。
お取り寄せギフトのようなちょっと高級な食材やスイーツなどもあります。
また、最近の特徴として物ではないものも多くなってきています。
ホテルや有名店などの食事券や、リゾート施設や温泉などに入れる回数券など、いわゆる体験型と呼ばれるものもお返しの品物となっています。
物をもらえるよりも嬉しいといった声も多いようで、お返しの常識もどんどん変化しているのかもしれません。
カタログギフトのお店によっては10以上ものコースが設定されているところもあり、幅広い選択肢が用意されています。
何か品物を選ぶよりもずっと相手にとっては好みのものが見つかると考えて良いでしょう。
カタログだけが届くのは失礼ではないかと考える人もいるようですが、そんなことは気にする必要はありません。
選びきらないほどのたくさんの品物があってその中から選ぶのですから、むしろ選ぶ楽しみを贈るのだと考えるべきでしょう。
また、以前と同じように何かの品物を選んだとしたら、その包装などを気にすることもあるかもしれません。
品物はデパート同様に化粧箱を使用してきちんとした包装がされますし、中には希望があれば包装紙を選べることもあるようです。
現物を自分の目で見て決めることはないというだけのことで、むしろ相手にとっては都合が良いことも多いという点で、カタログギフトはとても良い香典返しの方法だということは間違いないでしょう。
遺族の負担が軽くなるお返し
葬儀そのものをしなかったり、お通夜と告別式を1日で済ませたり、家族だけで行ったりと現在の葬儀の形は様々で以前よりも簡略化されています。
ですが、家族が亡くなれば遺族の悲しみはとても深く、そんな中での葬儀は大きな負担になります。
葬儀の簡略化はその負担を少しでも軽くしたいということが大きな理由ですが、お返しなどもその負担のひとつとなります。
家族を亡くすという悲しい出来事の中で、それ以外の人のことを気遣うということはとても大変なことです。
お返しに何を買おうかといったことは、こんな非日常の中で多くの時間をかけなくてもいいのではないでしょうか。
そんな風に考えれば、このカタログギフトほどそれに適したお返しはないのではないといえるでしょう。
香典返しを贈る遺族はカタログを選ぶだけです。
品物はカタログに掲載されているので細かく考える必要がなく、あとは相手が選ぶだけだからです。
カタログギフトが遺族にとっていちばん良いのは、品物を選ぶ必要がないことです。
何かを相手に贈ること、何にしようか迷うこと、これらのことは、通常であれば嬉しいことかもしれません。
同じお返しでもおめでたいことなら同様ですが、香典返しだけは別だということは贈られる側にも理解が必要です。
辛い時に少しでもその負担を軽くすることは、悲しみから立ち直るためにも必要なことでしょう。
ですから、今はたくさんの人が選んでいるので、そう考える人もいないかもしれませんが、あえて言うなら、受け取る側も喜んでカタログを受け取ることが大切です。
そして、楽しんで品物を選ぶこと、届いたらさらに喜びをきちんと伝えることも必要です。
以前のように香典返しが品物で送られてきたり、直接渡された場合はその時点でお返しは終了です。
受け取った側はそれ以上することはありませんが、この場合は、そこから申し込みというしなければならないことが発生します。
そして、申し込みを済ませたら今度は品物の到着を待つということになります。
このことを面倒だと考える人もいるかもしれませんが、もしもそう考えるのであれば、その面倒さが遺族の負担を軽くするために役立っていると考えられると理解しましょう。
香典返しとして送られてきたカタログを見て、そこの掲載された品物の中から好きなものを選ぶというのがカタログギフトの形です。
最近は品物を選ぶ必要がないという点から、これを選ぶ人が増えているようですが、中には以前とは違うという点で違和感を持つ人もいるようです。
けれども、家族を亡くした遺族の負担は肉体的にも精神的にもとても大きく、香典返しを選ぶということもそんな中では大変なこととなるでしょう。
この方法は品物を選ばないというだけでも負担が少なくて済みます。
また、お返しを贈られた方も、好きな物を選んでそれをもらえるということで、楽しみのひとつになるかもしれません。
そのため、遺族にとっては負担が軽減され、受け取る人も楽しみがあるという双方にとってとても良いお返しだと言うことができるでしょう。